スマートフォンアプリケーションやドライブレコーダーなどを使って、運転手の安全運転の精度や走行距離の測定や分析をして、任意保険の保険料に反映させる形式の保険のことを「テレマティクス保険」と言います。
いろいろな装置の能力が高くなったことで、日本国内でもすこしずつ採用されるようになり、2020年時には自動車保険に入る人の30パーセントがテレマティクス保険を付けるのではないかと見られています。
テレマティクス保険の種類
テレマティクスには、大別して「運転行動連動タイプ(PHYD)」と「走行距離連動タイプ(PAYD)」の2タイプがあります。
走行距離連動タイプは自動車の年間走行距離をGPS等を使って記録し「走行距離=危険性の高さ」に応じて保険料が変わります。
運転行動連動タイプは、保険業者から渡されるドライブレコーダーなどを自動車に装着してドライバーの安全運転のレベルを記録します。
まだまだ登場してから間もないのですが、これから増えていきそうなサービスです。
PHYD(運転行動連動タイプ):安全運転の精度によって保険料が変動する
PAYD(走行距離連動タイプ):走行距離によって保険料が変動する
運転行動連動タイプについて
自動車保険では、特に「運転行動連動タイプ」が重要視されており、安全運転の精度を高めれば保険料を2割まで安くすることができます。
また、日本政府もテレマティクス保険に入っている人の運転を分析し、事故リスクの低下にどこまで貢献しているかの記録を取ることにするそうです。
保険業者はテレマティクスの装置によってこのような情報を収集します。
ちなみに、事故率に関する捉え方や算出形式は業者ごとに違いますので、同一データでも保険料の変動率はばらけます。
運転情報
- 運転日時、運転時間、ペース
- 運転場所
- 走行距離
運転行動情報
- 平均速度、最高速度
- ブレーキ、アクセル(強さ、ペース)
- 車線変更(強さ、ペース)
- エンジン回転数
- コーナリング
今のところ日本国内の自動車保険会社では
- チューリッヒ
- あいおいニッセイ同和損保
- 東京海上日動
- 三井住友海上
- セゾン自動車火災
- ソニー損保
- 損保ジャパン日本興亜
がテレマティクス保険を採用しています。
それぞれの業者の割引率、連動タイプ、記録形式などをご覧ください。
チューリッヒ:Z-Assist(ドラレコ):事故対応・運転行動 -
東京海上日動:ドライブエージェントパーソナル(ドラレコ):事故対応・運転行動 月々650円
あいおいニッセイ同和損保:タフ・見守るクルマの保険(スマートフォンアプリ+専用車載器) 事故対応・運転行動 月々300円
三井住友海上:GK 見守る車の保険(スマートフォンアプリ+専用車載器):事故対応・運転行動 月々300円
セゾン自動車火災:おとなの自動車保険(スマートフォンアプリ+専用車載器):事故対応 円
ソニー損保:やさしい運転キャッシュバック(ドライブカウンタ):運転行動・走行距離 20パーセント・-パーセント
損保ジャパン日本興亜:ポータルスマイリングロード(カーナビアプリ):運転行動・走行距離 20パーセント・-パーセント
運転行動連動タイプにて保険料の割引をしてくれるのは、現状「ソニー損保」と「損保ジャパン日本興亜」だけです。安全運転スコアの最高レベルを記録すると、保険料が2割引きになりますので、普段から安全に自動車に乗っているという方は利用してみてもいいのではないでしょうか。
それ以外の業者は安全運転スコアをスマートフォンアプリケーションやドライブレコーダーによって記録したり、交通事故のときにGPSによって即座に対処してくれたりするようになっています。
ただ、事故対応サービスを充実させる形式のテレマティクス保険については、月々の料金が数百円アップしてしまうので気を付けましょう。
それぞれの業者の0円のロードサービスの詳細をしっかりチェックした上で、本当にテレマティクス保険に入るべきなのかどうかを決めましょう。
テレマティクス保険によって保険料を安くするためには?
テレマティクス保険を上手に利用すれば保険料を大幅にダウンさせることが可能です。ですが、まだ運転に慣れていない方や運転技術に自信がない方の場合は、それほど保険料が安くならないことも考えられます(ゴールド免許割引が発生したとしても)。
また、安全運転精度に関する考え方や、どこにウエイトを置いて割引をするかなどは保険業者によって違いますので、ご自身に合った保険業者をチョイスすることが大事です。
この先さらに、テレマティクス保険は広まっていくことでしょう。衝突安全ブレーキのある自動車のITシステムを連携したり、カーナビゲーションシステムやドライブレコーダー用のアプリケーションが増えたり……などですね。
そして「自動運転システムが導入されている自動車は安全度が高い」と承認されれば、保険料がさらに安くなるでしょうから、任意保険の更新の時期が近付いたら、最旬の情報を確認して、保険料を節約することができないかどうか検討してみることをおススメします。