自動車保険(任意保険)は、契約者による交通事故の発生ペースにより、その「等級」が決まります。そしてこの等級によって保険料が増減します。
自動車保険の等級は20段階あり、自動車任意保険の初契約時には自動的に「6等級」になります。
その後12カ月間交通事故を発生させず任意保険を利用しなければ次の年に1等級アップ。これにより保険料が安くなります。
一例として「6等級・19パーセント引き」だった契約者が、無事故で任意保険を更新すると、次の年には「7等級・30パーセント引き」となります。
一方、交通事故を発生させてしまって任意保険を利用したのであれば、交通事故1回当たり3等級次の年から下がることになります。
ですから、この場合は「6等級・19パーセント引き」が「3等級・12パーセント増」になってしまいます。
そして、1~6等級までは交通事故の有無と保険料の増減割合は無関係ですが、7等級からは「交通事故を発生していなければ『事故無等級』」が、「交通事故を発生させていれば『事故有等級』になる事になります。ちなみに、事故有等級は3年間継続です。
一例として「15等級・無事故」の方が交通事故を発生させると減額率が以下のようにダウンしてしまいます(事項の表参照。理解を深めるためにもご自身で確認していただければと思います)。
自動車保険の各等級と増減割合表
等級 | 無事故 | 事故有 |
---|---|---|
1等級 | +64% | +64% |
2等級 | +28% | +28% |
3等級 | +12% | +12% |
4等級 | △2% | △2% |
5等級 | △13% | △13% |
6等級 | △19% | △19% |
7等級 | △30% | △20% |
8等級 | △40% | △21% |
9等級 | △43% | △22% |
10等級 | △45% | △23% |
11等級 | △47% | △25% |
12等級 | △48% | △27% |
13等級 | △49% | △29% |
14等級 | △50% | △31% |
15等級 | △51% | △33% |
16等級 | △52% | △36% |
17等級 | △53% | △38% |
18等級 | △54% | △40% |
19等級 | △55% | △42% |
20等級 | △63% | △44% |
等級が下がる交通事故・下がらない交通事故
続いて、等級が下る交通事故と、下らない交通事項について説明します。
家族や自分が怪我をした交通事故 → 等級は下がりません
飛び石による自動車の破損や盗難 → 1等級下がる
自損事故・他者に怪我を負わせる事故 → 3等級下がる
さて、ここでポイントになるのが「自動車保険を使わなければ等級は下がらない」という事です。
ですから、自分でお金を出して飛び石による破損を修復したり、交通事故で損壊してしまった自動車を廃車したりしたケースでは等級は下がりません。
ですから「保険料がどれくらい上がるか」ということと「修理代や廃車代がどれくらいかかるのか」という事をしっかり比べてから、保険を利用するかを決めましょう。
また、損害保険業者を変えても等級は受け継がれますし、自動車を買い替えた場合も受け継がれます。
ちなみに、同一保険業者の任意保険にセカンドカー割引(2台目以降の契約に対して適用される割引)を利用して入る際には、7等級から始めることが可能です(通常は6等級から)
自動車保険の等級を上手く利用しましょう
任意保険の保険料は等級や運転手の年齢設定などによって変わります。
そして、若年層の方が自動車を買って新規に任意保険に入る際は、保険料をダウンさせる裏技が存在します。
一例として、親の任意保険が17等級だったと仮定しましょう。
この場合は、息子が親の任意保険を受け継いでいきなり17等級から始めて、父親はセカンドカー割引を使って7等級から始めた方が、二人の保険料の合計金額がダウンします。
ただし、等級を受け継ぐことが可能なのは「一緒に暮らしている親族」だけですので気を付けましょう。判断に困る場合は、保険業者に相談してみてください。
また、保険の更新を忘れたまま1年と1カ月が過ぎると、6等級に戻ってしまうので覚えておいてください。自分が車に乗らないにしても、この先家族の誰かが自動車を使うかもしれないのであれば「中断手続き」を損害保険業者に頼んで行ってもらいましょう。
この手続きを済ませておけば、等級が戻りませんし、運転者が変化したり自動車を買い替えたりしても等級を受け継ぐことが可能となります。